掌の先とは?
掌の先とは?
大学時代山登りに凝っていた。崖をよじ登っている時にどうしても、あと数センチ先のホールドが欲しい時があった。どう伸ばしてもあとほんの数センチが届かない。バランスを崩せば数10メートルまっさかさまに落ちる。勇気を出そうとすればするほどバランスが保てない。体が心の動きに反応しているのだ。死と隣り合わせ命のやり取りがかかった行動は無尽蔵に我々の身体に反応させるのだ。
「ザイルが欲しい・・・!」悲痛の叫びが頭の中でこだまする。しかし、もう許されない状況である。
苦しさと恐怖に震えながら自分を取り戻そうとする。「上るしかないのだ」その答えを早く出すことができれば掌の向こうに手が届く。
上りきった時にふと考える。出来事を反省しそして密かに自分を誉めるのだ。
答は現場という環境の中で自分にしか出せない。その答はその時その時の最善の答でありながら普遍的な形相を持つ。伸ばして伸ばして更に伸ばす先にホールドできるのだ。
外壮内観體育中心 蔡興仁


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